定員に達し次第、応募は締め切りとなります
相手を深く知ることが、やりがいにつながった
「なんて穏やかなんだろう。こんな落ち着いた日々の生活ってあるんだ」と小規模多機能への何度かの見学を経て、すっかりぐるんとびーに心酔して入職した井戸川。が、実際に入ってみると…。
「ホワイトボードの字が入ってこないんです。時間と人の名前がばぁーっと書いてあって、みんなそれぞれに予定がある。なにこれ、どうやって一日回しているの? と、スケジュールすら把握できなくて、パニックというところから入りました。」
見学に来たときと、職員として働くギャップの大きさに、楽しい反面不安はつきまとった。ぐるんとびーは、常に話し合える環境ではあるが、瞬間的に自分で決断して、行動しなくてはならない場面も少なくない。
「果たしてこれでこの人に合っていたのかな? 正解ってなんだろう? と、どうしても答えを求めてしまって。最初の頃は自分はここでやっていけるのだろうかと思うこともありました。」
思い悩む井戸川に絶対的安心感を与えてくれたのは、管理者である神谷や看護師兼ケアマネとして全体を包括する石川だった。「大丈夫だよ~。なんとかするし、なんとかなる。ダメだった時はまた考えよう」という2人の言葉に救われたことは数知れず。そんな井戸川が一皮むけるきっかけとなったのが、リーダー業務だ。
ぐるんとびーでは、常勤スタッフでリーダー業務を毎月ルーティーンで回す。「Always Why? 」で、常識にとらわれず、常にその時の最適解を探し求めて、目まぐるしく変化するぐるんとびーでは、リーダー業務を一人が長く担うのは荷が重すぎる、かつ、全体のベースアップを図りたいという石川からの発案だ。リーダー業務を担ったことで、井戸川は利用者の自宅での生活の様子や人柄、人生をより深く知り、石川のケアマネとしての思いを聞く機会に恵まれた。「それまでも慣れてきて楽しいということはありましたが、本当に楽しいという実感が得られるようになったのは、リーダー業務を経験してからです。」
石川が「この人はこういうことを求めているのではないかというところを感じられる‘フィーリング女子’」と高く評価する井戸川だが、この6月には最後の旅行に同行したOさんの看取りも経験した。
「寂しいけれど、悲しいという感じはないんです。Oさんが思う存分やり遂げて亡くなって、いろんなことを教わって、どこか清々しいではないですが、すーっとしている自分もいます。私にとっては冗談ばかりを言い合う楽しいおじさんという関係でしたが、仕事かプライベートかというところを超えて、もっと深い関係性を築いていたスタッフもいる。そういう関係性を築けるのが素敵だなと思います。生活の中に自由があるのは当たり前だということを思い出させてくれる。ぐるんとびーに来て、いかに自分の視野が狭かったかを思い知らされました。暮らしにとことん寄り添える、よい職場だと思います。」
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みんなが、作業療法士だった
5月1日に令和入職したばかりの久保。ぐるんとびーに来る以前は、リハビリ病院や老健で働いていたが、在宅復帰や自立支援と言いながらも、運営側の都合やスタッフの働きやすさに合わせた支援のあり方に違和感が募る日々を送っていた。
「80歳過ぎておかしいかもしれないけれど、もう一度働いて輝きたい」「漢字検定の試験を受けたいから、品川駅まで行く練習をしてほしい」と、思いを伝えてきてくれる利用者がいて、実現のための評価もできているのに、叶えられないもどかしさ。
悶々とする毎日を過ごす中で、「利用者さんのやりたいことを支援できるリハビリのシステムを作りたい」という菅原の思いを知った久保は、「私が作業療法士としてのプロフェッショナルを発揮できるのはここしかない」と直感。ぐるんとびーに飛び込んだ。現実のぐるんとびーはと言えば、「想像以上でした」と久保は語る。
「ぐるんとびーが私の思い描く作業療法が実現できる場だと思って入ってきたけれど、小規模多機能のスタッフたちが世の中の作業療法士よりもよっぽど作業療法をやっている。利用者さんの今までの生活背景や文脈を理解して、尊重して、その人の思いに寄り添った支援が半端ないんです。利用者さんのよい部分も悪い部分も含めて、全部をその人として受け入れて、関わっている。ここまで寄り添うのか、と。」
「負けてらんない」
これまでの久保ならば、介護タクシーを使いましょうと勧める場面でも、ぐるんとびーでは、利用者や家族の思いを汲み取り、介助で普通の座席に乗せる。小柄でパワーもあまりない久保にとって、団地の中の、生活の中の介助は、「施設にいる時よりも大変。リハ職なのに、介助すらうまくできなくて…。ようやく慣れてきたかなと思います。」
何度も繰り返される「リハ職なのに」の言葉に、久保の中を巡る様々な思いがにじむ。
「まだまだ至らないところだらけですが、スタッフも、対象者だけでなく同僚の私に対してもダメなところも含めて認めてくれる雰囲気があります。また、以前の職場では、利用者さんのことを人として見ていないのではないかと家に持ち帰るくらい悩むこともありましたが、ぐるんとびーでは一切ありません。」
「ぐるんとびーに来てよかった」とは、久保の偽りない言葉だろう。
スタッフの誰に聞いてもその人の思いを語ることができる。その人が大切にしてきたこと、価値を置いてきたことを語ることができる。「みんなが作業療法士」という中で、いかに作業療法士としての役割を果たしていくのか。
「みんなが作業療法士のように利用者さんに接している中でも、普段は作業療法士感を隠しつつも、専門職としてちょっとしたスパイスになれたらと思っています。表面には出ないように、でも意図的に、利用者さんの生活をよりよいほうに変えることができたら」と、静かに闘志を燃やす。
もう一つ、久保がひそかに抱く野望がある。「発信は苦手ですが、小規模多機能に作業療法士始めリハ職がいる意味を発信できたらと思います。利用者の生活に入り込んでこそ、専門性が高まると実感するからこそ、小規模にリハ職がいる意味を自分の口で伝えていきたい。」
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「あんまりやれないと思わないんですよね」
The King of ぐるんとびー、ならぬThe Queen of ぐるんとびー!? ぐるんとびーの管理者を務める神谷は、設立間もない頃からのメンバーだが、ナチュラルボーン介護職とでも呼びたくなる人である。
どんな難題を前にしても「やれないと思わない」神谷のバックグラウンドを紐解けば、自らの家族の存在が大きい。
神谷の中高生頃に脳出血で倒れて片麻痺になった叔父は、介護保険も使わず生活していた。自身がやっていた小さな工場近くの寿司屋になんとか危なげながらも辿り着き、お酒を嗜んだら、帰りは寿司屋が送ってくれる。同級生との年に一回の旅行は、酒を飲んで必ず転倒するリスクはわかっていながら、みんなが連れて行ってくれた。神谷の母親と神谷の3人で旅行にもよく出かけたが、「(障害者割引の利く)俺を連れて行かなくては損だぞ」と、とにかく自由。でもそれが当たり前だった。
診断時には末期がんだった父親も最後の一日だけを病院で過ごしたが、ほとんどを在宅で看取った。認知症だった祖母は、ご近所さんが「あんたんとこのばあちゃん、あそこにいたよ」と知らせてくれるので、問題なく自宅で生活ができた。神谷にとっては、ぐるんとびーで経験することには、ある意味なじみがあると言ってもいい。「みんなと一緒に生活しているのが楽しい。仕事だけど、その人の生活に入っている感じがぐるんとびーにはあります。」
「(井戸川が最後の旅行を共にした)Oさんとは歳も近かったから、スタッフになったり、お姉さんになったり、お母さんになったり、友だちになったり。いろんな役を変えて接しなくてはならない人でしたが、よい関りができたと思っています。完全にプライベートとして、一緒にご飯に行ったりしていましたね。」
こうした関わりをストレスなくできてしまうのが神谷の強みだが、一方で、「それをしなくてはならないものだと若いスタッフに思ってほしくはない」と懸念する。「私も何が何でも受けるわけではなく、自分でも無理な時はごめん、できないと伝えている。自分の中に無理はしないという軸はあります。私は自分で勝手にやっているけれど、スタッフによって、ストレスなくできるかできないかの見極め、ラインはその都度、必要だと思っています。」
勝手にやっていい管理者権限(笑)
「やっちゃいけないほうがストレスだから、事後報告はしますが、その場で困ってたらやってしまうし、好き勝手に動いてしまう(笑) 管理者権限で、かなり自由にやらせていただいるので、ほかの職場では働けない自負はあります。デンマークの思想に基づく部分があるのだろうと思いますが、チャレンジをさせてくれる、健介さんのところで働きたいというのは常にありますね。」
そんな神谷の苦手とするところが、言語化して教えること。「若いスタッフを育てることも大切だと思っているのですが、言葉で教えることは苦手なので、勝手に盗めるものは盗んで、と(笑) 仕事だからすべてが楽しいかどうかは難しいけれど、みんながそこそこ幸せに働けたらいいのかな。」
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生まれたての赤ん坊の昼寝を生かしてケアマネ取得。
即ぐるんとびー、即実践!
もう何年、いや何十年もぐるんとびーにいるのではないかと錯覚を覚える石川だが、「ケアマネとしては、初心者マーク(笑)」。「生まれたばかりの息子がよく寝てくれる子で、資格でも取るかとケアマネの資格を取りました。せっかく取ったから、在宅をやってみよう、藤沢にあるいろんな事業所を見てみようと思い立ち、見学に来た1件目がぐるんとびーでした。」
履歴書も持たずに見学に来た石川への、「よかったら、うち来ます?」という菅原からのお誘いに、「子連れでよければ、じゃあ、来ます」とふわっとしたノリで、そのまま入職。「健介さんには、‘石川さん、ちょっとした事故に遭ったんだと思うよ’と言われる」と笑うが、ぐるんとびー歴=ケアマネ歴というから驚く。いや、驚かない。即ぐるんとびー、即実践。
「ケアマネはかくあるべし」という枠がなかったからこそ、石川が徳島の村で育つ過程で培った「困ったら助けるマインド」が大いに発揮されたとも言えるだろう。
「何か起きたらすぐ対応。完璧は求めない。利用者さんもスタッフもみんなが笑っていればいい。」石川が大切にすることの一部だが、6月にOさんを看取った際、石川がスタッフみんなに発信していた次の言葉に、石川のぐるんとびーにおける役割が凝縮されている。
「サポートするみんなが、悔いはあっても悔いなくハッピーでいられるようにサポートするのが私の役割。」
対話を重ねることが道を開く
利用者もスタッフも自分の家族であるかのように思う石川は、とにかく対話を大切にする。
「困っていたり、希望があったりする中で、その人らしい人生を送ってほしいからこそ、足りないところをちょっとサポートする。また、ぐるんとびーのように、利用者さんの生活に入り込めば込むほど、どこまでが仕事でどこまでがプライベートの線引きは難しい。
日々動きがある中で、スタッフもなかなか吐き出せないことがあったり、それぞれの家庭の事情もあったりもするので、面談は一人ひとりこまめにするよう心がけています。スタッフとも利用者さんとも対話は大切にしていきたい。利用者さんに対しては、ジャッジは利用者さんがするべきなので、その材料を準備をしたり、ちょっと手を差し伸べたりするだけ。自分の正しさは持ち出さないし、そもそも自分が正しいとは思っていません。」
「看護師とは」、「ケアマネとは」という固定概念とも無縁に思える石川だが、急性期や総合病院で働いているうちに蓄積していたそれらのネジはどんどん外れていき、ぐるんとびーのデトックス効果は抜群だと語る。さらに、石川には、一緒に悩みながらも走り続けるスタッフのチャレンジを応援したいという思いも強い。
「目的が違うよという時には止めなくてはならないこともあるけれど、同じ灯台を基にしたチャレンジは応援していきたい。利用者さんの生活にどっぷり足を踏み入れられるのはぐるんとびーの醍醐味。もちろん生活にどっぷりがすべてではないし、それはそれでいい。適材適所はぐるんとびーの中にもあります。お互いの役割をリスペクトし合えたらいい。伸びしろ多めですが、自分のパーソナルとしての感情ではなく、ご利用者さん視点での悲しみや喜びを共有できる、いいスタッフに囲まれているなと思います。」
厚労省を始め全国から視察が後を絶たず、メディアからの注目も高いぐるんとびーの屋台骨とも言える石川。傍からすれば「キラキラ」して見えるぐるんとびーだが、「キラキラしてないよ! 頭下げて、謝りまくってるから!」と笑い飛ばす。
そんな石川にも落ち込むときもあると言うが、面倒なことや遠回りもいとわない仲間たちの存在、なんといっても利用者さんや家族からのぐるんとびーへの感謝の言葉、笑顔が支えだ。
「もう少し団地が村みたいに機能して、ぐるんとびーのスタッフだけでなく、やれる人がやれることをやって、困ったら助けるマインドが地域住民みんなの中に出てきたら、もっと面白いことになると思う」と石川は語るが、ぐるんとびーが目指す未来は、介護という枠組みには止まらない。
それぞれにまったく異なる個性の井戸川、久保、神谷、石川に共通するのは、介護のスタンダードにとらわれず、その時々の最適解を追い求めるようとする姿勢。そして、利用者さんもスタッフも自分も一緒に楽しみながら暮らしたいという強い思い。
日々日々変更、日々変更、目まぐるしい動きのあるぐるんとびーは、実際に働いてみないとわからない、飛び込んでみなくてはわからないことが満載だ。恐らく、戸惑いや不安も経験するだろう。でも、戸惑いを超えた先にこそ、ぐるんとびーの醍醐味がある。その醍醐味を、彼女たちと一緒に、ぜひとも味わってみてほしい。
- 本原稿にある所属先、役職等の記載は2019年7月5日現在のものです
- 定員に達し次第、応募は締め切りとなります
ぐるんとびー介護職 募集要項
施設所在地 | ①【小規模多機能型居宅介護ぐるんとびー駒寄】 藤沢市大庭5682-6パークサイド駒寄3-612 ②【看護小規模多機能型居宅介護ぐるんとびー(仮称)】※2020年春オープン 藤沢市大庭5529-8 シャルマンコーポ湘南ライフタウン 1F |
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施設区分 | 小規模多機能ホーム、看護小規模多機能型居宅介護(※2020年オープン予定) |
募集職種 | 介護支援専門員、介護福祉士、看護師、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST) |
募集資格 | 介護支援専門員、介護福祉士(介護職は無資格でも応募可)、看護師、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST) ※普通自動車運転免許あれば尚可。 |
雇用形態 | ①常勤 ②非常勤 |
業務 | ご利用者様が可能な限り自立した日常生活を送れるようにサポートします。施設への『通い』やご自宅への『訪問』、短期間の『宿泊』を組み合わせて、家庭環境と地域住民との交流の下で日常生活の支援や生活リハビリをおこないます。 |
業務 | ①常勤の給与: 月収 250,000~400,000円 ※給与は能力・経験による②非常勤の給与: 介護支援専門員 時給1,500円~ 介護福祉士 時給1,200円~ 介護スタッフ(無資格) 時給1,050円~ 看護師、OT・ST 時給2,000円~①②ともに処遇改善加算含む |
募集人数 | ①小規模多機能型居宅介護ぐるんとびー駒寄 5名程度 ②看護小規模多機能型居宅介護ぐるんとびー(仮称) 5名程度 |
勤務時間 | ①小規模多機能型居宅介護ぐるんとびー駒寄 基本:9時00分~18時00分 夜勤:16時30分~翌10時30分(休憩4時間含む)②看護小規模多機能型居宅介護ぐるんとびー(仮称) 24時間のシフト制①②ともに非常勤は短時間可 |
休日・休暇 | シフト制(相談可・柔軟に対応)年間休日105日 |
福利厚生・諸手当など | 通勤交通費:通勤手当支給(但し2万円/月上限あり)、マイカー通勤応相談引越し手当:10万円支給(湘南大庭地区への転居に限る/条件あり)子どもと通勤が可能な場合もあり夕食補助あり(1食 大人500円、こども100円)各種研修多数あり/年に1回のデンマーク研修あり(常勤希望者のみ)団地内に複数のスタッフが居住しており様々な助け合いがあります |
社会保険 | 健康保険/厚生年金/雇用保険/労災保険 |
Web | » ぐるんとびー公式サイト » 株式会社ぐるんとびーFacebookページ |
※当ステーションの採用担当者が受信いたします
※定員に達し次第、応募は締め切りとなります